2020年からの活動にあたり、サスペンションの修理・オーバーホール専門店で2輪レース活動もサポートされている「セイクレッドグランド」様にサポートをいただけることになりました。代表の新保さんとは8年来のお付き合いがあります。
(セイクレッドグランドHP)http://www.sgfacendo.com
整備技術やセッティングに関する考察なども面白く、安易に純正から社外品へのリプレイスを勧めず、メンテナンスが容易になるよう必要な部品を自ら製作するなど長く使い続けられるように提案をしてくれる信用できるショップです。
2輪だけでなく4輪も手がけていらっしゃるため、4輪に近い車体をもつF1サイドカーを手掛けてもらうことで双方に新たな発見があると良いなと考えています。
F1クラスのマシンには、フロントとリアにそれぞれサスペンションを装着しています。
側輪はリジットマウントのためタイヤの取り付け角と位置の調整機構だけです。
フロントはフレームの延長上にあるのでスイングアームのようになっていますが、構造的には4輪のダブル・ウィッシュボーン形式です。ロアアームから伸びるプッシュロッドがフレーム内部に設置されたサスペンションを押す形になっています。
フレーム内部はクリアランスがないのでサスペンション本体を外すには、フロントアームを取り外さなければなりません。
1990年代まではこの構造が主流でしたが、現在はフレームが前に伸びてアームが短くフレームに対して90°で設置されており、より4輪フォーミュラーに近い構造になっています。
リア構造もダブル・ウィッシュボーン形式ですが、アップライトからフレーム方向とエンジンハンガー方向にアームが伸びています。エンジンハンガーと繋がるアームはチェーンの張り調整の役割も併せ持っています。
この年式はサスペンションが外部で直付になっているので取り外しは容易です。
フロントもリアも、実際のストローク量はせいぜい1〜2cm程度。4輪のフォーミュラーカーと同じ考え方でサーキットに限定してパフォーマンスを発揮するようになっています。 この辺りは公道レースを想定したF2車両とは少し異なる部分です。
上がフロント、下がリアです。
パイクスピークヒルクライム等の過酷な路面で使用されたこともあり少々痛んでいます。
メンテナンスで万全の状態なって戻ってくるのが楽しみです。
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